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福岡市のアロマサロン「かすみ屋」の日記。お手軽なアロマレシピや香りにまつわるお話をお届けします。
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あるものからバニリン抽出
寡聞にして知らなかったのですが、イグノーベル賞というものがあるのだそうですね。
1991年につくられたノーベル賞のパロディ的なもので、人を笑わせ、考えさせて科学への興味を誘う研究などに毎年贈られるとのこと。日本人の受賞者もけっこうあり、一昨年はかのドクター中松が「栄養学賞」を受賞しておられます。
今年2007年「化学賞」の受賞者は26歳の日本人女性。あるものからバニラの芳香成分であるバニリン(vanillin)を抽出する研究をなさったのです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071005-00000017-maip-soci

「あるもの」とは何か、ニュースでは堂々とタイトルになっていますがここでは一応隠します。念のためお食事中の方は続きの閲覧をお控えください。


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あるものとはなんと牛の糞。これ1gに水4mlを加え一定の温度、時間にて加熱すると、1gあたり約50マイクログラム(マイクロは100万分の1)のバニリンがとれたとのこと。馬や羊など他の草食動物の糞からも採取可能で、シャンプーやロウソクの香り付けなどの応用が考えられるのだそうです。

バニリンはバニラの香りの主成分であり、もともとバニラ・ビーンズから抽出されるものでした。
そもそもバニラ・ビーンズそのものの熟成が結構厄介なものなのです。もともとあの香りを持つ実がバニラの蔓になっているわけではなく、収穫した莢をある独特の手法で仕上げることによってあの甘い芳香を放つようになるのですね。

キュアリングと呼ばれるその手法ですが、

1.莢の先端部が黒褐色に変わったら収穫。
2.熱湯をくぐらせ、毛布に包み温室に入れる。
3.午前中は直接、午後は毛布に包んで陽にあてる。
4.夜は箱に入れて発酵させる。


というもの。
これを10〜20日ほどくりかえし、莢があめ色から黒っぽく変わったらあのバニラの香りを放つようになり完成です。こんな厄介なビーンズから精油を採り、さらにそこから抽出するんですから高価になるはずですよね(アロマテラピーの分野でもバニラの精油は発売されていますが結構高いですしね)。
そのお陰か現在ではバニリンの化学合成法がいくつか開発されています。今回受賞のこの方法もいずれはその一つに数えられるようになるのでしょうか。バニラ・ビーンズから採る方法に比べおよそ半分のコストで抽出できるとのことです。

受賞者さんは「廃棄物の活用法を知ってもらえるよい機会」とおっしゃっているのだそうで、確かにその目のつけどころはユニークだなと思います。しかし製品化されるのでしょうか。これは。食物には使わないにしろ化粧品だのロウソクだのの嗜好品にはイメージというものがありますからねえ…。
「バニリンはバニリン」と割り切って使うメーカーが今後現れるのかどうか、興味深いところでもあります。
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プロフィール
NAME:  かすみはら(かすみ屋)
福岡市中央区大名でひっそりとアロマサロンをやっています。エッセンシャルオイルに限らず、いい香りのお話が大好物です。香水作りのワークショップ、セラピストさんの勉強会なども時々やっています。
mixiコミュニティ:Aromahausかすみ屋
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