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福岡市のアロマサロン「かすみ屋」の日記。お手軽なアロマレシピや香りにまつわるお話をお届けします。
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ユリの香り
コンサートのお手伝いに行きましたら、花束のおすそ分けをいただきました。季節柄なのでしょうか、とても鮮やかなピンクのユリです。

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なので昨日から家中ユリの香りで一杯。甘いというより重いと表現するにふさわしいこの香りが苦手な方もいらっしゃるようですね。私も大好きというほどじゃありませんが嫌いでもないといったところです。がつんとくる香りではないんですが、じわじわ空気中にしみこむ感じと言いましょうか。わけわからんですが。

たまに「ユリの精油ってないんですか」と訊かれることがありますが、私の乏しい経験上ではお目にかかったことがありません。
手元の資料をざっと調べたところによりますと、20世紀の始め頃にマセレーション(温めた油脂に香気成分を吸着させる方法)、もう少し時代が進んでからは溶剤抽出法によりユリ精油が抽出されていたとのこと、あんまり採油率もよくなさそうだし、おそらく現在は合成香料が主流で精油はあってもごくわずかなのではないかと思います。精油になったら花の香りとどんな風に違うのかとても興味がありますが、お目にかかれる可能性は低そう。

ユリの香りは古代より「官能的」と称されてきましたが、その反面聖母マリアの純潔のシンボルでもあります。多くの伝承があり、調べ甲斐のありそうな植物ですね。

おまけ:
(写真左)舞台側から撮った客入れ前のホール。
(写真右)緊張しつつ座っていた照明調整のブース
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今回のコンサートは東京時代の声楽の先生のリサイタルでした。
1日だけとお手伝いを頼まれ、裏方好きのわたくしいそいそと出かけてゆきましたら、連れて行かれたのは舞台袖の照明ブース。「このボタンで調整してね。ついでに陰アナ(開演とか休憩のアナウンス)もお願いできる?」

こっこんな失敗が客席にもろバレになる部署なんて!

せいぜいキップ切りとか舞台でピアノ動かすとかくらいだろと思ってたので慌てました。出演させられたのと同じくらい緊張しまくりでしたがどうにかつつがなく終了して一安心。やっぱり生の音楽、生の歌声っていいですね。

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フランジパニのこぼれ話
8月はじめのワークショップ(以下WS)に向けて資料を作っています。効能だの薀蓄だのは置いといて、とにかく香りを感じていただこうというWSなので簡単なものなんですがなかなか進まない。「ドロナワ」という言葉がしきりと頭に浮かんでくる今日この頃でございます。

フランジパニのことを調べなおしていたら以前飛ばし読みしてたと思われる面白い話が出てきました。WSでお話しする余裕は多分ないだろうと思いますのでこちらに書きます。

オーデコロンの元祖というと「ハンガリーウォーター」って話、検索すると飽きるほど出てきますが、これは植物のみを原料としており、もともとは治療のために作られたもの。
そのしばらく後に、イタリアで「フランパニ香水」が作られました。多分スペルはフランジパニと同じではないかと思います(便宜上この香水のことを「フランパニ」、精油のことは「フランパニ」と呼びます)。これは医薬品としてではなく香りをつけることが主な目的であり、また初めてムスク、シベットなどの動物性香料を使用したとされる点から現代香水の祖と呼ばれているそうです。

この香水にフランジパニ精油が使われているわけではないようですが、少なくとも名前が関連している可能性は高いらしいのですね。
ざっと調べただけでも「フランジパニの花が発見された際、フランギパニ香水と香りが似ているのでこの名がついた」あるいは反対に「フランジパニの花の香りをイメージして香水が作られた」などといくつもの説がありました。鶏が先か卵が先か、みたいな話なんですが。
その中に「1492年のコロンブスの大航海に同行した植物学者がこの花の香りを最初に記録に残し、彼のイタリア人の親戚がこの花からジャスミンに似た香りの香水(多分フランギパニ香水のこと)を作った」という記述を見つけました。冒険の果てに持ち帰った記録の中の花の香りを香水に再現、という点にとてもロマンを感じます。個人的にはこの説を支持したいですね。

さて、さっきのハンガリーウォーターに話が戻ってしまいますが、エリザベート王妃が70すぎてハンガリーウォーターのお陰でリューマチ治って若返って隣国の18才の王子から求婚されたって例のお話(検索すれば山のように出てくるので詳細は控えます)、18才に求婚される70過ぎもすごいが、70過ぎに求婚する18才も違う意味ですごいですね。しかし身も蓋もないんですがどうも真に受ける気にならんのですよ。ただの伝説としてであっても。

確かに健康を取り戻した女王は若々しく見えたのかもしれません。でもそれと政治の道具であった結婚とはまた別なんじゃないかと思うのです。領土問題か何かで政略結婚が企てられ、未亡人で言葉は悪いが立場的に「手ごろ」であった王妃に白羽の矢が立った、しかし彼女は老齢を理由に断り、「こんなお婆ちゃんに何をおっしゃるの」「いやいやまだまだお美しくていらっしゃる」みたいな軽いやりとりがあったのではないか、それが誇張されて後世に伝わった、くらいのことじゃないかなーと邪推しています。
さて逃避終わり。ああでももう遅いなちょっとワインでも…(これがいかんのですね)。

私事ではございますが、もうすぐ妹が子供2人をつれて帰省します。3才と6才児のパワーはそれはすごいものがありまして孫可愛さに祖母ちゃんの花道まっしぐらだった母も最近疲れが見えてきており、彼らが来たら「お姉ちゃん(私のこと)に頑張ってもらう」と言っているのだそうです。なぜに本人のいないところで決める…。
ヤツらはわたくしを伯父と思い込んでいるふしがあるので相手をするのはとても大変です。この時期にWSをやるのは早計だったかも知れません。ははは(乾いた笑い)。



あんまり日にちがないんですが、改めましてワークショップの宣伝です。

かすみ屋のフレグランス講座
フランジパニの夏香水作りワークショップ
日時:8/5(日)または8/6(月) 14:00〜16:00 (全一回)

効能にとらわれず、またスピリチュアルな観点とも違う、精油を純粋に「香りの素材」として扱うワークショップです。トップ、ミドル、ラストのバランスを考えて、本格的なオーデコロンを作りましょう。

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イランイランの花
東京より戻ってまいりました。毎月開催されていたセミナーも今回で終了。次は9月に行きます。

上京前、今回はどこに行こうかな、とネットをさまよっていましたら小平の薬用植物園でイランイラン開花という記事を見つけました。かなり前に行ってみたことがあり、確かに温室にイランイランがあったのは覚えていますが花の時期ではなかった、これは見とかなくては!とセミナー終了後大荷物を抱えて西武拝島線に飛び乗ります。

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記事は月曜時点でのこと、行ったのは土曜、保ってくれてるかなと不安でしたがなんとか間に合いました。
実にいい香りでした。果物のように甘くしつこくないうっとりするような香りです。実は私はイランイラン精油の香りを「甘い」と思うことがあまりなく(他の方には「甘い」と説明してしまいますが)、「重い」とか「太い」とか感じることが多いのです。後のなんて香りの表現じゃないですが、どうもこの言葉が浮かんできてしまうのですから仕方ありません。
しかし生花の香りは掛け値なしに甘かった。昔は新郎新婦の新床にこの花をまいたってのがよくアロマ本に出てきますが、それがいかに贅沢な寝床であったのか、かなりリアルに想像できます。1人暮らしの寝室にも欲しいくらいと言ってしまったら悲しすぎるでしょうか。

この花を水蒸気蒸留して精油を得ますが、何度も蒸留可能な植物ということでも知られています(同じ花を3〜4回蒸留することができるとのことです)。イランイラン・エキストラと呼ばれるものがいわゆる「一番絞り」でもっとも高級とされています。また、あまり知られていないようですが、カナンガという精油があります。イランイランと同系列の香りですがやや高級感に欠けます(値段も安価です)。これはイランイランの仲間なのだけどまったく別の植物という説と、イランイランの3番絞りくらいの精油をこう呼ぶという説の2つがありました。

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ラヴェンダーその後
先日到着したラヴェンダー生花、花瓶に飾って楽しんでいたんですが、連日の蒸し暑さで早くも傷みが出てきたので思い切ってドライにすることにしました。
一部はそのまま逆さに吊るしてドライフラワーに。残りは花の部分のみを外してポプリ用にします。

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上の写真から花だけを採取したのがこちら。
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結構な量がとれました。
香りも色もドライで売っているものとは段違いに新鮮です。出来上がりが楽しみ。

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しばらく自然乾燥させ、白熱灯などのあまり高くない熱を加えて完全に乾燥させて密封保存します。そうしないとカビが出たりすることがあるのだそうです。

少し前のことですが、ある雑誌にハーブ類を乾燥させる方法として「電子レンジにかける」ってのが推奨されていました。「自然乾燥」の手順を省き、生のままのハーブをチンしてしまうのだそうです(時間は忘れました)。そりゃあ水分が一気に抜けるだろうけど…。ですが本来ドライハーブを作る過程ってとても楽しいと思うのですよ。それを省いちゃってどうするのって。

そりゃあまあ花や葉を茎からはずし、あるものは短く切り、重ならないように並べて数日乾燥させる、この過程を面倒といえばそうかもしれませんが、やってる間中それはよい香りを楽しめるのです。ハーブ類は切ったり触ったりすると香りがより強く立ちますし、乾燥の度合いによって香りが変化していくのもわかります。せっかくハーブが好きでやっているのであれば、その過程を飛ばしていきなりドライにしてしまうのは楽しみも半減と思うんですけどね。

福岡市中央区大名のアロマサロン かすみ屋のサイトはこちらから

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ラヴェンダー到着
放置してすみません。実は以前から友人の仕事を忙しい時期だけ手伝ってまして、例年なら時期を置いてくるものが4件くらいどわっと重なってしまったので相当にタイトなスケジュールでおりました。またどういうわけか忙しくなるとサロンのご予約だの他の予定だのも詰まってくるという困ったような嬉しいような法則も発動し、ブログまで手が廻らずにおりました(ほとんど考えずに書いているアロマバス日記は例外)。
それもどうやら終了し、少し休むかと思っていたところへ郵便屋さんが。着払いの荷物だといいます。あれ?これはもしかしたら…。

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そう、以前頼んでいたラヴェンダーの生花が到着したのです!
休む気が一気に失せたのはいうまでもありません。予約時には10日頃の摘み取りとのことでしたが、9日に届いたんですから今年はちょっと開花が早かったんですね。

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包んであるのが北海道新聞というところも気分を盛り上げてくれますね。感心したのが箱内にほとんど花穂が落ちていないこと。本当に咲きたてを送ってくれたのだなと思いました。

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今回頼んだのは「丘紫」という品種のラヴェンダーでした。かのファーム富田さんが何年か前に受賞なさった「おかむらさき」精油の原料となるものです。量は500g。来年は1kgにしてみようかな…。でもセミナーなどのイベントに絡めるには到着日がはっきりしてないといけないし。難しいですね。

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不器用故にハーブクラフトの類を避ける私が唯一作るのがラヴェンダー・バンドルズ。花穂を閉じ込めるように茎を折り曲げリボンを通すもの。
ラヴェンダー・スティックという別名もあるのです。形状からするとこちらの方がふさわしいような気もしますが、熊井明子さんは「バンドルズ」の呼び名を好んでおられました。スティックには「突き刺す」という意味があるからだそうです。

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くれぐれも細部を注視なさらぬよう(笑)。
完全に乾燥すると細くなるのでリボンを締めなおす作業が必要となります。
昔は引き出しにいれてシーツ類の香り付けと防虫の意味を持たせたらしいですが、現在ではほとんどお土産用に作られているんではないでしょうか。プロヴァンスのお土産などでマラカスみたいに大きいラヴェンダー・バンドルズを貰ったことのある方もいらっしゃると思います。

生花の場合、精油よりやわらかく草っぽい要素のある香りになりますが、今回のラヴェンダーはかなり柑橘系のような印象を受けました。そういえば「おかむらさき」の精油もフルーティさが勝ってる気がしましたっけ。そういう成分を多く含んでいるのかもしれません。

現在かすみ屋はラヴェンダーの生花があちこちに飾ってあるというきわめて贅沢な状態です。もちろん一番喜んでいるのは私自身であります。もう少しの間この祭りをやってますので、興味のある方はお早めにどうぞ。お待ちしております。よし今日はすんなり宣伝につながったな。

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アセモ用スプレーとボディパウダー
福岡も暑い日が続いています。最終日とはいえまだ6月というのにこんなに暑くってどうなるのでしょう。お客さんがいらっしゃっている間はともかく、色々な意味で冷房をあまり使いたくない私にはつらい季節。少なくともあと3ヶ月はこんな日が続くと思うと参ります。夏生まれは寒さに弱く、冬生まれは暑さに弱いといいますが本当なんでしょうかね。確かに私は12月生まれですが。

寝室兼パソコン部屋にはデスクトップPCがありますが、こんな日には暑すぎて座っていられません。仕方なくリビングに脱出しモバイル用PCで作業中。バンダナで保冷剤をくるみおでこにくくりつけている姿は100年の恋も醒めるどころではありません。

この暑さでさっそく肘の内側にアセモが出来てしまいました。昔から汗かきでしたがここまではなかったのに情けない。これ以上見苦しくなる前になにかケアせねば、というわけでアセモ用のスプレーとボディパウダーを作ってみました。特に目新しいレシピでもないし、急に思い立ったので材料はありあわせです。

●アセモ用スプレー
・精製水 100ml
・ラヴェンダー精油3滴
・ローマンカモミール精油2滴

精油のうち1滴をペパーミントに替えてもいいかも知れません。今回は精製水を70mlにして、残り30mlをペパーミントの芳香蒸留水にしてみました(ちょうど残っていたので)。水と精油だけですから冷蔵庫保存して使用前によく振ります。いつも手元に置いて汗をかいたらすぐにスプレー。そのあと乾いたタオルで拭きとります。

●ボディパウダー
・ホワイトクレイ(カオリン) 大さじ 2
・コーンスターチ 大さじ 2
・ペパーミント精油 4
・スペアミント精油 2
・ティーツリー精油 2

コーンスターチとクレイを混ぜ、精油をたらしてさらにかき混ぜて出来上がり。清涼感重視の香りにしてみました。ティーツリーのかわりにグレープフルーツもいいですね。この分量なら精油は6〜8滴にとどめるのが一般的なようです。
蒸し暑い夜には風呂上りにこのパウダーを全身にはたき、粉まみれで眠ります。バターで焼けばムニエルの出来上がりだよなといつも思います。おいしくなさそうですが。

*このブログでご紹介する処方は私が実際に試したものではありますが、すべての方に合うとは限りませんのでご注意ください。お試しになって不都合があった場合、一切の責任は負えませんのでご了承くださるようお願いいたします。

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ベルガモット≠モナルダ
所用で実家に帰りましたらモナルダの花がたくさん咲いていました。きれいだったので貰ってきたかったのですが荷物が多かったので断念。

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品種はいくつかあるようですが、実家にあるのは学名をMonarda didymaというタイプではないかと思います。異名の多い花で、タイマツバナという和名の他ビーバーム(Bee balm)とも呼ばれます。そしてもう1つ、ベルガモットという呼び名もあるのです。アロマテラピーや調香でポピュラーなベルガモット(Citrus bergamiaまたはCitrus aurantium ssp bergamia)に葉の香りが似ているためそのように呼ばれることとなったのだそうですが、まったく違う植物です。なのに同じ名を持つということは大変紛らわしい。個人的にはこの名をなるべく使わない方がいいんじゃないかと思っています。

実際に混同が起こっているのをあちこちで見ることができるのです。多くが学名をCitrus bergamiaとしながら表示写真は明らかにモナルダのもの、というパターン。「ベルガモット」で検索かけてみたらトップに出てきたサイトさんがこれだったので脱力してしまいました。情報発信しようと思うのだったらきちんと下調べをして欲しいものです(自戒も含めてですが)。
ちなみにモナルダの精油も存在します。海外のカタログで見ました。どんな香りなのか、どのくらい出回ってるのかは不明ですが…。

おまけ:

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これも実家で勢いが良かったヒマワリの仲間みたいな花。名前なんというのと尋ねましたら母の返事は

「知らん。○○さんに苗貰った」

…。

もしご存知の方がいらしたらお教えたいただけると嬉しいです。

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ムラムラ
父が退院しましたので実家に一泊してきました。
ちょうど今実家の庭は一番花の多い時期。折角だから持っていきなさいとの言葉に甘えてごっそり貰ってきました。ヤグルマソウ、カモミール、園芸種ラベンダーなど、今花瓶やグラス総動員状態です。水換えが大変ですわ。

実家の庭は植物好きの母が人から貰ったり買ってきたりはたまたいつのまにか生えたりした草花で大変にぎやかです。全体図の写真も撮ったのですが全部ピンボケだったので割愛(私の携帯カメラの扱いはきわめていい加減)。

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<みかんの花のようですが、木酢という柑橘系の木です。「もくさく」ではありません。「キズ」と読みます。そのまま食べるのではなく、カボスやスダチのように薬味として使うものです。どうも九州地方にしか生えないようですね。うちには昔からあったので私にはおなじみでしたが意外と知っている人が少ない。
これがですね。ネロリなんですよ香り!まろやかな中にやわらかい渋みがあるというのか。今年は沢山花をつけているので木の下に行くと陶然となります。一枝貰ってきましたので、今の時期に「かすみ屋」にお越しの方は香りをお試しいただくことができます。

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九州でもスズランは育ちます。特に手をかけてないのだけれど毎年咲いてくれるのだとか。これは切ってもだめだろうと思ったので持ってきませんでした。これがとてもやさしいいい香りです。スズランのオイルって合成しかないのでこれは貴重(採油率が悪いらしいですね)。すごく小さな草なので、地面に這いつくばるようにして顔を近づけないといけないのが難点ですが。

さて、ザクザク花を切る母(私がヘタクソなので花バサミを取り上げられました)の姿を見ているうち、ムラムラとこみ上げてくるものがありまして。長いこと封印していたポプリスト(ポプリを作る人)の血が騒ぎ出したのです。
ポプリとは乾燥させた花、ハーブ、スパイス、精油などを混合して作るものですので、お店で買ったものだけで作れるんですが、やっぱり醍醐味は原材料の収穫から(もっと言えば育てるところから)です。ハーブの香りを楽しみつつ丁寧に摘み、ゴミや枯れた葉を取り除いて洗って乾燥させる、その過程が大変楽しいのですね。部屋中に精油とは少し違ったいい香りが立ち込めますし。

ポプリにすると言ったら母は大喜び。いえポプリが楽しみなんではなくて、茂りすぎて邪魔なハーブを切ってもらえるのが嬉しいのですこの人は。
実家の庭は日当たりがいいので基本的になんでも勢いがいいのですが、これほど茂ったハーブ類を見るとやはりあちらではもともと雑草だったんだなと実感します。日本で言えばヨモギのようなものですね。わざわざ育てなくてもいつでも身近にある、そういう植物を使って昔の人は日常のケアをしていたんでしょう。

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そんなわけでごっそり貰ってきたミント類の一部。右がスペアミント、左はアップルミント。

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こちらは右がボリジの花、左はカモミール。飾り用に使います。

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剪定の必要がありそうなくらいになったローズマリーもたくさん貰ってきたので浸出油を作ってみました。検索したら湯煎して漉すやり方が紹介されていたのでそちらで。料理用に壜に漬け込むハーブオイルも作っています。出来上がりが楽しみ。

ハーブたちはもうしばらく乾燥させてからポプリを作ります。どんなスパイスと合わせようか、考えているとわくわくします。見目麗しく出来たら写真をアップしますね(スルーの場合は察してください)。

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柑橘系精油の光毒性について
日々暖かくなって、窓を開けて外の空気を楽しめる時期になってきました(今年は花粉症軽くて本当によかったー)。一時的にではありますが、早くも冷房を入れたオフィスさえあるなんて話さえ聞きます。当然陽射しも強くなり、そろそろ気をつけなければならない季節になってきましたね。今日はあの困りものの光毒性のお話を少し。

熱を加えず果皮を圧搾して得られる柑橘系精油にはフロクマリンという成分が含まれ、それが皮膚についたまま日光に当たるとシミなどの原因になるといわれています。代表的なのがベルガモットに含まれるベルガプテンですね。
私は冬場はあまり気にせず柑橘系を使用しています。寒い時期は皮膚のほとんどが衣服で覆われますので、よほどお天気がいい日(及びとても敏感なお客さん)を除いてはそれほど神経質になる必要はないと考えるからです。

しかし、露出が多くなるこれからの季節にはそういうわけにはいきません。使用に制限がかからざるを得なくなります。大抵の場合トップノートに柑橘系を持ってくる(融通がきかないともいう)私のブレンドには大きなハンデです。それに本当は暑い季節にこそ爽やかな柑橘系を使いたいじゃないですか。上手くいかないものですね。

どこまで柑橘系の光毒性に気をつければいいのか、実は諸説あります。
念のためにすべての柑橘系を避けるべきという強硬な意見もあれば、ベルガモット以外ならばそんなに気にすることはないなど、もうこれは使う人の判断に任せるしかないというのが現状ではないでしょうか。しかしどの説でもベルガモットだけは避けるというのは共通していますね。最も好きな柑橘精油にがっつり光毒性があるというのは悲しい話です。フロクマリンを除去したもの(FCF)も売られてはいますが、「成分をいじった」精油を好まない方もいらっしゃるようですし、香りも「似て非なるもの」になってしまっている気がします。詳しくは知らないのですが、圧搾した精油をさらに蒸留のようなことをしてフロクマリンを除去するのだとか。その際に他の香気成分も一緒に抜けてしまっていると考えていいのじゃないでしょうか。なので私はFCFベルガモットをあまり使う気になれません。



先日購入しましたエッセンシャルオイル総覧2007によりますと、柑橘系精油の光毒性のあるなしは下記のようになっています。

●なし
・スイートオレンジ
・マンダリン

●あり
・ビターオレンジ
・グレープフルーツ
・ベルガモット
・ライム
・レモン

●柑橘系ではないが、光毒性が認められるもの
・アンゼリカ(根) 
・キャラウェイシード(低レベルで可能性あり、不確定)
・クミンシード
・ジンジャー(低レベルで可能性あり、不確定)
・レモンバーベナ(但し、希釈後光毒性なし)

ユズやスダチ、カボスなど和の柑橘については、「分析表を良く確認し、光毒性に注意」とあるにとどまりました。まだ資料として出せるような検査結果が出ていないものと思われます。なので夏は避けた方が無難でしょうね。
あと、どこかでネロリに光毒性があるという説を見かけましたが、ないです。ビターオレンジの花だから混同されたんじゃないでしょうかね。ネットだとこういう情報の混乱も起きがちですし。

スイートオレンジが使えるのはありがたい。マンダリンだけではどうもねえ、と思っていたのでした。あと、ベルガモットミントなどのハーブ系、水蒸気蒸留されるリツェアなどで柑橘系の不足を補いつつ、これからのブレンドを組み立てていこうと思っています。

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ロン・グーバ氏メディカルアロマセミナー
2月23日に行われましたオーストラリア・メディカルアロマ協会会長ロン・グーバ氏のセミナーに行ってきました。

いやー福岡にも本当に大きい建物が増えているんですねー。最初に間違えて裏手のマリンメッセに行ってしまい、うろうろと入り口を探し回るというあまりにもお約束な失敗をしてしまった後やっと国際会議場であることがわかり(案内ちゃんと読んどけ)、開始10分前にすべりこみ。ほら引越したばかりですので。そろそろこの言い訳も使えなくなるかな。

ここに来たのは初めてです。写真を撮り損ねましたが、広々としてとても立派な建物でした。ロビーなんかバレーボールが出来そうなくらい広いのです。

さて会場は何号室かな、と入り口付近の電光掲示板を見やると


「ドン・グーバー氏メディカルアロマセミナー」(後半部分うろ覚え)


…。


電話だけの申し込みなのね、と一見してわかってしまう間違い。まあ参加者は間違えず会場にたどりついていたようですのでいいのでしょうが。

私は先日プロバイダを替えたんですけど、そこまでに至った原因の一つが、サポートに「ロ」と「ド」の聞き間違いをされたことでした。これはかなり不愉快なことだと思うんですけどねえ。会場側ももっとしっかり確認して欲しいものです。私が怒っても仕方ないけど。脱線すいません。

最初会場についたとき小柄な白人男性がうろうろしていて誰だろうと思ったんですが、この方がグーバ氏でした。主催者の紹介後ものものしくお出まし、というのを想像していたんですが、存外にきさくな方のようです。時折ジョーク(けっこう親父ギャグ)を交えつつ熱っぽくお話される姿は好感が持てました。最後の質疑応答で、私がした質問とは微妙に違うお答えをされたのがちょっと残念でしたが…。でもまあ内容からして無理もないことだったのですが(すいませんこの辺ぼかしときます)。

今回、東京と大阪でも氏の講演会は開かれますが、これらは2日間のスケジュール。1日のみなのは福岡だけ。やっぱり福岡って…、と思っていたのですが、さる筋からの情報によりますと福岡でも2日やりたかったのだが会場がとれなかったのだとのこと。その分内容はぎっしり。夕食のお弁当まで出され(昼食は各自ででした)、10:00〜19:00までという長丁場でした。しかし体力の落ちていた私にはやや辛く、いけないと思いつつ無念の沈没という局面も何回か…。すいませんでした一番前で。次は万全の体調で臨みたいものです。
グーバ氏は英語で講演をなさいますので、皆イヤホンをつけて同時通訳を聞きながら、ということになります。こういうのは初めてだったのですが、案外ときついものですね。今までのいわゆる「通訳つき」のセミナーでは、講師が喋り、通訳が訳すという形ですので、こちらもノートがとりやすい。講師が次のことを喋っている間に一つ前のことを書いていれば良いのですから。わからない表現があったら通訳の方が聞きなおしたりということもできましたし。同時だとずっとお話が続いているわけですからノートが追いつかないわけです。通訳の方も(二人いらして交代でやるんですねー)アロマに詳しいとは限らないわけですから、ちょっとわかりにくい部分もありましたし。

しかしまあ、参加者の皆さん大胆です。原液を腕に塗りまくるわ、精油入りジュースを飲み干すわ、海塩水と精油入りの目薬をためらいなくさすわ(量さえ適切ならば、こういう使い方はぜんぜん大丈夫ということを提唱してらっしゃるのです)。最後のはさすがに怖かったですがやってみるとスッキリ!びっくりしました。1人だけ刺激を感じた方もあったようですが。

残念ながら、参加者は多いとは言えませんでした。よくこのくらいの人数で開催してくださったものだと思います。こういった催しの少ない福岡では本当に貴重な機会です。主催者さんに感謝します。

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プロフィール
NAME:  かすみはら(かすみ屋)
福岡市中央区大名でひっそりとアロマサロンをやっています。エッセンシャルオイルに限らず、いい香りのお話が大好物です。香水作りのワークショップ、セラピストさんの勉強会なども時々やっています。
mixiコミュニティ:Aromahausかすみ屋
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