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福岡市のアロマサロン「かすみ屋」の日記。お手軽なアロマレシピや香りにまつわるお話をお届けします。
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ティーツリーのチンキ
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夏ごろ友人から貰いましたティーツリーの鉢植えの剪定をしました。寒くなってきましたので冬越しの準備が必要なのです。友人からのメールによりますと、思いきって剪定をした後は土を替えスーパーなどで貰ってきたトロ箱に移して縁側の下などで冬を越させるのだとか。うちには縁側がないので暖かい室内で過ごさせようと思っています。春に新芽が出てくれることを祈りつつ。



剪定した葉っぱはいつものようにお風呂にでも入れるかと思っていたのですが、ふと思いついてチンキを作ってみることにしました。「植物油に漬けこんで浸出油に」というのにも惹かれたんですが、これからの季節チンキの方がうがい薬やルームスプレーなど応用範囲が広いだろうと思ったのです。
そうと決まれば普段のだらけっぷりがうそのようにいそいそと材料を買いに走るのですから物好きなものです。寒い上に雨まで降っているというのに。どんだけ好きなんだ我ながら…。



今回はホワイトリカーで作ってみました。今までは無水エタノールを使っていたのですが、チンキの定義として「30%以上のアルコールであれば良い」というのを読みましてならばこっちの方が経済的だろうと。別に飲むつもりでいるわけじゃないですからね。



葉っぱを洗って適当に切り、浸るくらいまでリカーを注ぎます。生葉の状態なのでかさばって見えますが10gもないです。
ネットなどでレシピを見ていると、だいたい10gのドライハーブ(生の場合はその3倍くらい)に100mlのアルコールとあります。それに従うならばハーブが全然足りないのですが自家用ですので気にしない。香りが物足りなければ精油を足せばいいさくらいのアバウトさです。どんなものが出来ますやら。

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セラピストの練習会を12/9に開催します。

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ウインターグリーンフレーバー
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珍しく少したてこんでおりまして、「半ネット落ち」の状態でした。ご予約と急ぎのメールにはお返事をしていたのですがブログまで手が廻らず…。放置中にも関わらず覗きにいらしてくださった方ありがとうございます。ぼちぼち更新してまいります。

面白い精油ないですか、と聞かれた際たまにおみせしているものにウインターグリーンという精油があります。



Gaultheria procumbens ツツジ科 

●蒸留部位:葉
●蒸留方法:水蒸気蒸留 
●主要産地:カナダ、中国

●主要有効成分
エステル類:
サリチル酸メチル 95~99%
●使用上の注意:
アスピリンにアレルギーのある人への適用は避ける。ドーピング検査に反応することがあるので、スポーツ選手は競技前には使用しない。

通常精油は沢山の芳香分子を含んでいるものですが、この精油は珍しくとてもシンプルな構造です。湿布薬の材料として使われるサリチル酸メチルが主成分ですので当然強い湿布の匂いがします。なので先入観なくこの香りをみた方は驚かれることが多いです。「アロマで癒される~」というのとはまったく方向性の違う香りですね。まあこればっかりは実際にごらんいただかないとわからないと思いますのでご希望の方はご来店時にお申し出ください。その際はあんまり鼻に近づけないほうがいいかと思いますが。
大変主張が強い精油なので使うときにはブレンドに困ります。せいぜい柑橘系などを合わせて柔らかくするくらいでしょうか。しかしこの精油が好きで好きで、という方は少ないかと思いますが、また大嫌いという人もあんまりないように思います。なんだかんだ言って湿布薬の匂いは馴染み深いものだからでしょうか。

このウインターグリーン精油ですが、なんと海外でお菓子のフレーバーに使われているという情報をいただきました。百人中百人が湿布薬を連想するといっても過言ではないこの香りを口に入れるものに使う!日本人ではできない発想じゃないでしょうか。まさに所変われば品変わるという言葉の通り。

その1つがアルトイズのタブレット。


スタンダードなミントは食べたことがありますが、ウインターグリーンフレーバーなんてのがあったのですね。まだ現物にはお目にかかっていませんが、ミントタブレット好きとしては是非一度食べてみたいものです。通販してまでとは思わないのでどこかに売っていると嬉しいのですが。

飲食物ということで私がウインターグリーンから連想するのはルートビアというアメリカではポピュラーなドリンクです。調べてみましたら本当にウインターグリーンが使われていたのでびっくりしました。他にもシナモンやナツメグやアニスなど様々なハーブが入っており、家庭薬として用いられることもあった伝統的なハーブ飲料だったのだそうです。それを炭酸にしてしまうというところがアメリカ的な気がします。
米軍のある沖縄では普通に流通しているようですが、他の地域で輸入食料品店以外でみかけることはありません。いまいち日本人の味覚には合わないもののようですね。


ルートビアは遠い昔に一度だけ訪れたアメリカで(当時1ドルいくらだったかなんて書きたくないくらい昔…)飲んだのですが強烈なカルチャーショックでした。それもただ飲んだのではなくてフロート(いわゆるクリームソーダ)にしてしまったのですね。普通のソーダフロートにするつもりが、ソーダを選べるとのことでじゃあせっかくだから初めて名前を聞いたルートビアで、と頼んだのが運のつき(お好きな方ごめんなさい)。「コーラにメンソレータム放り込んだ味」というのが若き日のわたくしの正直な感想でした。それに脂肪分たっぷりのバニラアイスが入っているところをご想像ください。結構くせのあるものが好きなつもりでいた私にも手が出ず、必死でアイスだけすくって食べていたのも今は懐かしい思い出です。もしかしたら今ならわりと平気で飲んでしまうかも知れませんが。

ちなみにウインターグリーンを学名で検索してみたらこんなんでてきました。こういう植物だったんですね。写真のは多分園芸種で、精油を採るのと厳密に同じというわけではないんだと思いますが。



えらい可愛いんですけれど。そしてこういう赤い実のなる小さい木って個人的にすごくツボなんですけれど!どうせ枯らすからやめておくのが賢明なんですけれど!誰か止めてくだされ。

最後になりましたがお知らせです。mixiに入っておられない方には申し訳ありません。
以前から告知しておりました通り、福岡セラピスト練習会のコミュニティは10/31を持ちまして閉鎖します。
その後継としての新コミュを作っていますので練習会、勉強会に参加ご希望の方はそちらにご参加をお願いいたします。
福岡アロマの勉強会



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お楽しみは来年…
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キンモクセイが香る季節です。皆さん楽しんでおられるでしょうか?



私の実家でも庭で満開と聞きましてすっとんで帰り、少し花をもらってきました。
もうだいぶ開いていますので軽く触れただけでぽろぽろ落ちます。それはもういい香り。うちで使っているプリマベラのオスマントゥス精油も良い香りですが、生花はやっぱり格別です。かなり背の高い木なので、私でもあんまり手が届かなかったのが悔しいところ。できることなら木ごと逆さにして振りたいくらいでした。



さてこれだけ採れました花、半分はエタノールにつけてチンキを作ります。実は数日前友人のブログで「キンモクセイのエタノール抽出をする」というのを読みましてうらやましくなりここに堂々のパクリ宣言です。うまくできればおなぐさみ。いつごろ開けるかは決めていませんがあんまり我慢できそうにありません。暇さえあれば漬け込んだ遮光ビンを眺めているのですから…(傍からみてたらかなり不気味だろうと思います)。



残りはポプリにでもと思っていたのですが、たまたま実家にホワイトリカーがあまっていたのでキンモクセイ酒を作ることにしました。本当はリカー1.8リットルに対しキンモクセイが2~300g必要なのだそうですが、そこまで花を集めるのは大変だしそもそもそんなたくさん作ってもしょうがないので半分くらいの量にしてみました。梅酒のように長期間漬けこむものらしいので、1年くらいは待ってみようかなと思っています。来年のキンモクセイの季節に一杯やれたら嬉しいですね。待ちきれずに開けちゃう可能性も大なのですけれど。それ以前にどんな味になっているのやら…。

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かすみ屋のフレグランス講座
キンモクセイ香水づくりワークショップ
日時:10/17(金)または10/18(土) 全一回

効能にとらわれず、またスピリチュアルな観点とも違う、精油を純粋に「香りの素材」として扱うワークショップです。トップ、ミドル、ラストのバランスを考えて、本格的なオーデコロンを作りましょう。

詳しくはこちらまで

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蓮も終わりです
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清らかな花で目を楽しませてくれた舞鶴公園の蓮もそろそろ終わりのようです。今年は本当によく通いました。蓮を眺めつつお濠の端から端まで歩き、帰り道は舞鶴公園内を通り抜けたり、来た道を引き返したりとささやかながら変化もつけられたのでとてもいいウォーキングコースでした。来年はもっと早起きできるようになっていたらいいなと思います(なんでここまでして、と思ってしまうくらい暑い日もあったりしましたので…)。



もう実ができているものもありますね。
蓮の実は中華料理の食材として有名ですが、漢方では気持ちを落ち着ける効果があるのだそうです。

 

もちろんまだ花もみられます。見逃されていた方はここ数日が勝負ですよ。お早めに!

7月の記事で気にしていた蓮の花の香りですが、どうやら乗り出して手の届く範囲に咲いていた花があったので顔を近づけてみることができました。思ったほど甘くはありませんでしたが清楚な優しい香りでした。その様子を見ていた人から「香りがあるんですか?」と訊かれましたので、ありますよと答えて場所を譲ったら驚いておられました。蓮は「香りのある花」というイメージがあんまりないのかもしれませんね。

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スペアミント
近所の八百屋さんでパック入りのスペアミントを安く売っていましたので思わず買ってしまいました。皆さんご存知の通り、スペアミントはちょっと水にさしておけばすぐに根が出るとても育てやすいハーブなのです。わーこれだったら苗買うよりずっと安いじゃんと飛びついたのですね。
散々枯らしているにもかかわらずまだベランダガーデニングを諦めていないのです。



しかし帰宅してパックをあけてみましたらそんなに甘いものじゃなかった。どれもこれも短いこと!先っちょだけなんですね。まあ安いだけあるか…。



諦めきれずになるべく長そうなやつを水につけています。根っこがでればおなぐさみ。
5mlの精油ビンにささってしまうくらいですからその小ささはご想像いただけると思います。



あんまりきれいに撮れませんでしたが、ガラスの器に浮かべてみたり。
ちょっとだけ夏先取りのようなインテリアになりました。

残りは熱湯を注いでフレッシュハーブティーにしました。市販されているドライのものとまた違った爽やかさがあります。子羊の料理にソースとして使うこともあると聞きましたが、日本人の味覚にはちょっと微妙なようですね。

精油としてのスペアミントはややマイナーな位置にいます。
主成分がペパーミントのようにメントールではなく、カルボンという物質なので作用が穏やかであり子供への使用にも適していると言われています。

「ミント」の名は、ギリシャ神話の妖精「メンタ」Minthe からきていると言われています。地獄の王ハデスに見初められたメンタが、その妻ペルセポネによって香りのよい草に変えられたという神話に由来しているのです。こんな草になったということは、派手でグラマラスな美人ではなかったのでしょうね。

メンタがペルセポネに草に変えられてしまった理由ですが、夫を奪われる嫉妬によるものという説と、無理やりハデスに従わされそうになったのを哀れみ身を隠してやったという説の2つがあるようです。ペルセポネ自身、花を摘んでいたところをいきなりハデスにかっさらわれて奥さんにされてしまったという人なので、節操なしの夫にはかなり頭にきていたものと思われます。なんかまた微妙に脱線してしまいましたので今日はこのへんで。

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一周年キャンペーン開催中。エコバッグプレゼント。
椿油モニタートリートメント継続中。6/15までです。
ワークショップ/薔薇香水
2008年5月30日または31日 14:00-16:00
古来より多くの人々に愛されてきた薔薇。その芳醇な香りは他の追従を許さないといってもよいくらい。本当にうっとりさせてくれる香りです。まさまざまなテーマで扱われ、とても奥深いものではありますが、初心者にも十分扱える題材だと思います。
詳しくはこちらまで。個別ワークショップもいたします。6/30まで(期間延長いたしました)。

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ホホバエキストラクト
プリマライフから新しい方法で採取されたエッセンシャルオイルが届きました。その名はホホバエキストラクト
巷では水蒸気蒸留のエッセンシャルオイルをホホバオイルで薄めたものが出回っていますが、もちろんそれとは違います。ホホバオイルを用いて花の香気成分を抽出するというユニークなエッセンシャルオイルなのです。

エッセンシャルオイルの採取方法として最も一般的なのが水蒸気蒸留法であることは皆さんご存知の通り。材料の花やハーブに水蒸気をくぐらせ、それを冷却することによって精油を得るという手法です。この方法に向かない原料もありまして、その場合は溶剤抽出法というもので採取します。これはヘキサンなどの薬品を使って精油成分を取り出すのですね。サラダオイルなどにも使われている方法です。水蒸気蒸留よりたくさんの量が採取できますし、蒸気を当てると破壊されてしまうような、熱に弱い成分もそのまま抽出できるのです。

これらとはまったく違った方法で採取されるのがホホバエキストラクトです。その作り方は以下の通り。

摘んだばかりの花を温かいホホバオイルに入れる。最終的に出来るフローラルエキストラクトの品質は、ホホバオイルの温度と加えた花の量が決定的な役割を果たす。新鮮な花は長いこと温めたホホバオイルの中に寝かされ、あるいはかき混ぜられる。次にこの花を濾過して除き、新たなつみたての花を温めたオイルの中に加える。
ホホバオイルがもはや芳香物質や成分を吸収しなくなる飽和点に達するまで、あるいはさらに花を足しても香りのプロフィールがほとんど変わらなくなるまでこの過程を何度も繰り返す。このていねいな抽出行程の間に、花はその豊かな精油を放出し、比類ない香りをホホバオイルにうつす(Primavera Life社資料より)。


読んだだけでわくわくする私は変でしょうか?これ作ってるとこ見に行きたくてたまりません(多分見せてくれないでしょうけど)。かなわぬ夢だけど花を浸したホホバオイルを混ぜてみたい!その部屋にどんな香りが立ち込めているのか、想像しただけですっ飛んでいきたくなります(世界のどこで作られているか公表されてないようなんですが…)。

今回はチューベローズとジャスミン・サンバックを取り寄せてみました。
いやまあその濃いこと!くらくらするような甘さにメロメロです(テンション変ですみません)。特にジャスミン・サンバックの素晴らしいことと言ったら!先日のロータスの練香に少し加えてわたくしご満悦です。これ使ってワークショップでもとか思ってたんですが、あんまりにも気に入ってしまったので自分がせっせと使ってしまいそうです。なんせ1mlですから。ご興味をもたれた方はできるだけお早めにお越しくださいますよう。なんか「早く来ないと食べちゃうよ~」って言ってるみたいですね…。


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ホーリーフ、カンファー、ラベンサラ
mixiコミュのトピックに投稿したことの補足というか蛇足というか。ややマニアックの域に入りそうなお話を少しばかり。
ホーリーフという精油、あんまりメジャーではありませんが大抵の方は名前くらいはお聞きになったことがあるのではと思います。

学名はCinnamomum camphor、クスノキ科の植物で日本では芳樟(ホウショウ)という呼び名で知られています。リナロールを94%ほども含み、ローズウッドの代用として使用されることがあります。

大抵はこんな風に紹介されており、私もそういう風にご説明してきました。しかし今回の機会でつたないながらも調べてみましたところちょっと面白い事実がわかりました。なに小難しいこと言ってんのよ~という方と今更こんなこと?と笑う方にわかれると思うんですがまあご笑覧ください。

同じCinnamomum camphorでも、カンファーを多く含むものとリナロールの多いものがあるのですね。日本で有名なのは勿論ローズウッドの代用になるリナロールタイプなんですが、カンファーの多いCinnamomum camphorの精油というのも存在するのです。香りの印象は全然違うものです。

ということはケモタイプってこと?と思いましたが厳密には違うようです。ケモタイプというのは植物学的にまったく同じ植物であるにも関わらず、産地や生育条件などで化学成分(香り)の異なるものを指します。タイム・チモールとタイム・リナロール、ローズマリー・シネオールとローズマリー・カンファーなどがこれにあたります。
Cinnamomum camphorにはそれがちょっと当てはまらないのですね。この植物の場合は属名、種小名までは同じでもその先につく名前が変わってきます。なので同じ仲間ではあるけれども厳密に言えば違う植物である「亜種(または変種)」というものなのです。まあ「ケモタイプ」と呼んでも支障ないくらい近しい植物ではあるようなのですが。

「有用植物事典」(平凡社)を調べましたところ興味深い記述がありました。

基本種のクスノキは植物体に樟脳(camphor)を含むが、ホウショウでは樟脳をほとんど含まず、その代わりリナロールをクスノキの1.5倍含有する。(中略)第二次大戦前は台湾で年間300~400トンの精油が生産されていた。しかし樟脳含有量が低いため樟脳の原料のクスノキに混入すると樟脳収量を下げることから、樟脳生産の場では臭樟と呼んで敬遠されていた。

なのでもともとCinnamomum camphoraとしてはカンファータイプの方が基本種でメジャーだったってことなのでしょう。今はローズウッド問題のお陰かリナロールタイプの方が日本では有名になってしまいましたね。
しかし「臭樟」って…。かわいそうに。厄介ものっぽいニュアンスを感じます。樟脳を得るための生産なのですからリナロールがあっても仕方ないってのはわかるんですが。

フランス・アロマテラピー大全によりますと、それぞれの正式な学名は以下の通り。

カンファータイプ:Cinnamomum camphora Sieb.ssp.formosanum
リナロールタイプ:Cinnamomum camphora Sieb.var.glavescens
(他にもいくつか変亜種名があるようですがここではとりあえずこれだけ挙げておきます)

ちなみにローズウッドの代用という点に関してですが、確かに成分的には似ているものの、ホーリーフ自体の生産量があまり多くないためその役割を果たせるのだろうかという懸念もあるようです(「エッセンシャルオイル総覧2007」より)。そもそもローズウッド自体、現在は絶滅の危機を免れているという説もありますしね。どうなっていくのでしょうか。

さて、以上のことをふーんなるほど、と思いつつ調べてまいりまして、ふともうひとつ似たようなクスノキ科の精油があったよなと思いつきましたところ驚きの事実が!(大げさです)

ラベンサラの学名も同じCinnamomum camphoraなのですね。

(ラベンサラにはラヴィンサラ、ラヴィンツァラなどいくつか呼称がありますがここではラベンサラで統一します)

正式な学名はCinnamomum camphora Sieb.J.Perel
何か変亜種名が存在するのではないかと思うんですがまだ確認できていません。主成分はみなさんご存知の通りティーツリーなどにも含まれる1.8シネオールです。

他にも採取部位によってかなり精油成分が違うのではないかという説もあり、まだまだこれから新事実が明らかになってきそうな気配なんですが現時点でわかっていることを大まかにまとめてしまいますと、
Cinnamomum camphoraにはカンファータイプ、リナロールタイプ、シネオールタイプの3種類の精油が存在するということです。

確実を期するためには購入の際に変種、亜種名まで確認の必要があるのでしょう。もしくは成分表見せてもらってどの成分が多いか確認するとか。あとは産地ですね。ホーリーフだと日本や台湾などアジア圏で、ラベンサラでしたらマダガスカルです。
まあ日本に入ってきているのであったら大抵はわかりやすくなっていると思うのですが、海外での購入とか個人輸入などの場合はちょっと注意が必要かもしれませんね。
ちなみにプリマライフではカンファータイプを「カンファー」、リナロールタイプを「ホーリーフ」という商品名で販売しています。ラベンサラは「ラビンツァラ」という商品名でしたが先日廃盤になってしまいました。いい香りだったのに残念。

ラベンサラに関しては、数年前に学名が他の植物と混同されていたことが判明したというややこしいいきさつがあり、現在でも若干の混乱があるようです。ここでそれを説明するとちょっと横道に逸れることになりまたかなり長くもなりますので割愛させていただきます。いつか機会がありましたら。

それにしても精油に関しては学名で確認するのが一番確実で手っ取り早いと思っていたのに…。この精油には通用しないみたいですね。ああ面倒。でもこういうことほじくりかえしていくのが醍醐味だったりします。

検索でヒットしたんですが、鹿児島の開聞岳香料園に香料用の芳樟の木があるようですね。ここには前から興味があったので是非一度訪ねたいと思っているのですが、福岡からでも相当に時間がかかるところのようでなかなか腰を上げることができません。なにしろ最南端の近くですから…。


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舞鶴公園の桜
とにかく散る前に!と舞鶴公園の桜を見に行ってきました。
盛りは少し前だったようですが、まだまだ美しく楽しむことができます。風が少しあったので花びらが風に舞う様子もきれいでした。 しばらく余裕のない日々を過ごしていたので季節の移り変わりが記憶になく、なんだか一気に春になった気がします。

 

ソメイヨシノが中心だったのですが、ここは しだれ桜も見事なのですね。

 

まるでピンク色の滝のようでした。

普通の桜には香りがないと一般には言われていますが、たくさん咲いている下に立つとごくわずかな香りを感じる気がします。「どういう香りか」と表現できるレベルではなく、「ちょっと空気が変わった」という程度の認識でしかないのですが…。



今年は多摩森林学園の匂い桜をみそこねてしまったのですが、かわりにこういう本を見つけました。
代表的な匂い桜の「スルガダイニオイ」の精油成分の分析をされているのです。香料用みたいに香気の強い花ではないので精油の採取には苦労されたようですが、それによると最も多い成分はフェニルエチルアルコール。これは薔薇の花の香りの重要な要素でもあるのです。さすがに同じ科なだけあるのですね。他にはベンズアルデヒド、クマリン(桜餅の香りです)など。もし精油が採れるとしたらやっぱり薔薇に似た働きをするんでしょうか。なかなか面白い本でしたので、興味がおありの方は是非。

品質改良したら多分精油の採れるような香気の強い桜もできるのではないかと思うのですが、今のところ試されている方はおられないんでしょうか。「桜は香りがないもの(なくてもいいもの)」という認識が広まりすぎていて無理なのかな。
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オレンジ・ポマンダー作り
あまり暑いといけないだろうと我慢していたオレンジ・ポマンダー、ようやく作ることができました。まだ本来の時期からすると随分早いのですが、クリスマス時期のワークショップのひとつにしようと思っているので早めに試作品が必要なのです。

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今回使った果実は二種類。右はオレンジですが、左の緑色のは実家でできた「木酢(『もくさく』ではなく『きず』と読みます)」という柑橘類。カボスやスダチのように果汁をしぼって調味料にします。昔から実家にあったので私にはなじみ深いものでしたが、あんまりポピュラーな実ではないようですね。レモンなどより甘みの少ない、鋭い爽やかさをもつ芳香です。

ポマンダーは他にもレモンやリンゴなどいろいろな果実で作られますが、香りとしてはオレンジの右にでるものはないようですね。クローブや他のスパイスともっとも調和する香りとされています。あまり大きいと乾燥の前に腐ってしまうこともあるようですので、小さめの果実で作るのがコツだと言われます。



この果実にどんどんクローブを突き刺していきます。クローブの和名、「丁子」は「釘」の意で、確かに似た格好をしていますが、先がそれほど鋭いわけではありません。なので竹串や爪楊枝などで果実に穴を開けてクローブを挿しこんでいくのです。果皮にキズをつけますので、オレンジの香りがスパイスと混ざり合った芳香が部屋中に立ちこめます。出来上がりより製作過程が楽しめるとされるクラフトのひとつです。

071017_2.jpg

ひととおり挿し終わった状態。乾燥後リボンを結ぶ場所を残すため、サージカルテープを十字にかけています。これにスパイスミックスをまぶし、1〜2日なじませたあと乾燥させるのです。

クローブやスパイスに防腐作用があるとはいっても果実1個まるごとですから果汁はたっぷり、それを腐らせないよう乾燥させるのは結構大変。じわりと熱を加えるのがいいので、昔は暖炉の上などにつるしていたのだそうです。暖炉のない現代ではストーブの上部やエアコンの吹き出し口など、温かい空気の出るところで乾燥させます。
なんと紙袋にいれてコタツで乾かす、という日本ならではの方法もありました。そのくらいのゆるい熱がいいんだそうですね。残念ながら今うちにはコタツがないので試すことはできないのですが(それ以前にコタツ出すような気候じゃないって)。暖房器具に頼ることの出来ない今の気候、なんとかきれいに乾かしたいものです。

さてこれでポマンダーのサンプルは終了、後は他の資料…、って思ってたけど近所の果物屋に姫リンゴ売ってたな。あれでポマンダー作ったら可愛いだろうなー(すでにサンプルでなく自分の愉しみと化している)。



今年はアロマセラピー学会の総会が福岡で開催されるとのこと、思いがけず参加できることになりました。
このスカスカの頭でどのくらい理解できるか不安ですが頑張ってきます。



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初秋のキンモクセイ香水づくり

効能にとらわれず、またスピリチュアルな観点とも違う、精油を純粋に「香りの素材」として扱うワークショップです。トップ、ミドル、ラストのバランスを考えて、本格的なオーデコロンを作りましょう。

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キンモクセイのおまけ話
キンモクセイ香水作りワークショップの初日、福岡の最高気温は沖縄より高い35℃…。なんのイヤガラセでしょうかと問いたくなるほど暑い日でした。暑さ寒さも彼岸まででしょうがって、一体誰に訴えればよいのやら。
真夏に比べると風は若干涼しくなったものの、陽射しの鋭さは相変わらず。ヒートアイランドの東京の蒸し暑さにかなうものはないと思ってましたが、純粋な暑さだとやっぱりこっちの勝ちですね。

キンモクセイの資料作りをしていて面白い記事を見つけました。
トイレの「キンモクセイの香り」が衰退した理由
http://www.excite.co.jp/News/bit/00091161497065.html

キンモクセイというとかならず連想されるのが「トイレの芳香剤の匂い」という時期があったのです。
その印象はあまりにも強烈で、香りについての調査をすると「好きな香り」と「嫌いな香り」の両方に高位でランクアップしてしまうほど。そういえばここのところ使われなくなったようだなと思っていたら、消臭技術の発達、香りの好みの多様化などいろいろな理由があったのですね。
昔の熊井明子さんの本にも、「あまりにもトイレのイメージが濃くついてしまったので、この精油があっても香水などつくる気にはなれないだろう」とあり、今まさに香水を作っている私は時代の流れをしみじみかみ締めるのでした。

閑話休題。
大手ハーブショップに取り寄せを頼んでいたスパイス類が到着したというので、ワークショップのあと取りにでかけました。ここは初めて利用したのですが、支払いのときに渡されたメンバーズカードを見て、心臓をぎゅっと捕まれたような、切ないような奇妙な感慨にとらわれました。
そういえば東京でもここの支店をよく覗いていたのです。散歩がてらぶらぶら行ける距離にあり、こまごましたグッズやハーブティなどを買って少しずつポイントをためていたものでした。愛想のいいスタッフがいて、「裏の商店街のおばさんが持ってきてくれたんですよ」と売り物でないローズマリーをちょこっとわけてくれたりしました。そういうささやかな思い出があの当時とまったく変わらないデザインのメンバーズカードを見て一気によみがえってきたのです。
こういうことで東京を懐かしむようになったってことは、逆に言えばそれだけこちらに馴染んできたのの現れなんでしょうね。多分。

ちなみに今日取りに行ったスパイスはクローブとオレンジ・ポマンダー用のスパイスミックス。そうです。この暑いのにもうクリスマスのことを考えている阿呆がここにおるのです。
詳細はまた後日アップしますね。さすがにみなさんまだ聞きたくないと思われますので。

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キンモクセイのこぼれ話
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次回ワークショップに向けて資料作り中。昨日はサンプルの香水をブレンドしました。最低1週間は熟成が必要なのにも関わらず早く使ってみたくてうずうずしています。

オスマントゥスは香料としては比較的新しいものなのであんまり資料がないのですが、花の香りについて書かれたものはとても多い。小説や随筆も含めかなり多岐にわたると思われます。面白いですがうまくまとまるものか。

この植物は中国が原産なのであちらに伝承が多いようですね。検索していたらそれっぽい本がざくざく出てきまして、本買いマニアのわたくし大興奮中。西洋のハーブの本ばっかり買いあさってきましたので、アジア関連の文献をあんまりもっていないのです。資料が出来上がる頃にはまた本棚が狭くなってる予感がひしひしと。
買う前に図書館で確認してから、と思うのですがそうもいかないのですよ。何でも天神界隈にコンパクトに集まっている福岡市ですが、残念ながら図書館は例外なんですね。県立図書館、市立総合図書館の両方ともバスに乗らなくてはなりません。近所に区立図書館はありますがあまり蔵書は多くない。何度もバスで往復するくらいならば古本で買ったほうが安くつくくらいの本もありますしね。そんなわけでうちの蔵書は増殖し続けるのです…。

調べていくうち「花を集めて瓶に密閉保存し残香を楽しむ」という文にぶつかりました。ポプリみたいな楽しみ方をされていたのですね(※)。金木犀の花が小さくて比較的乾燥させやすいこと、香りが持続することなどから、香料が貴重品だった時代には重宝されたのではないでしょうか。
※厳密には単品では「ポプリ」とは呼べません。ポプリは雑香という別名の通り、何種類かの花とスパイスをブレンドしたものを指します。

以前にも書いていますが、金木犀と言えば忘れられない思い出があります。まったくロマンチックなことじゃないのですが。
随分昔、熊井明子氏のポプリ講師養成講座に通っていた時のこと、次の授業までに金木犀の花(乾燥したもの)をカップ1杯用意しなければならなくなりました。大抵の花ならば花屋さんで手に入りますが金木犀だけはそうはいきません。庭があるかまたは庭持ちの友人がいれば問題ない話ですけれども、アパートに1人暮らしでしかも知り合いの少なかった私には大問題。悩んだ挙句、深夜香りを頼りにさまよい歩き、街路樹の根元に落ちている花のなるべく新しそうなものを広い集める羽目になりました。今だったらネットで探せばお花をわけてくださる人が見つかるかもしれませんが、そういうの欠片もない時代でしたからね。
その時は集めることに夢中で気にしていませんでしたが、傍から見れば思いっきり不審者だったことでしょう。よく通報されなかったものと思います。今でもこの花の時期に夜外を歩いていると、必死で花を集めていたあの頃のことを思い出します。

そんな苦労を重ねて作った金木犀のポプリレシピは下記の通り

木犀(金木犀でも銀木犀でも) 1/2〜1カップ
リンゴの皮 1/2カップ
カモミール 大さじ1
フジバカマ 大さじ1
オリスルート 小さじ1
好みでアップルミントの精油をたらします。


金木犀の香りにはフルーティな部分があるといわれ、熊井明子さんはリンゴの香りと合わせるのを好んでおられました。フジバカマはクマリンを含むのでちょっと桜餅に共通するあの要素があります。
たしか穏やかで甘すぎない香りのポプリになったと記憶しています。今年は花が手に入るようだったら久しぶりに作ってみようかと思っています。フジバカマが問題ですが、これは花屋さんでなんとかなるでしょう。

おまけ:

070906_2.jpg  070906_3.jpg


大川市の広松木工さんの木のパズル。左がばらしたところ、右が完成形です。
行きつけの美容院で見せてもらって一目惚れ、天神で行われていた家具個展に翌日すっ飛んで行って買いました。すべらかな木肌の感触が素敵です。組み立て方がわかるまでストレスたまりますが。こういうの得意な方は是非チャレンジを。


何度もすいません。お約束のワークショップの宣伝です。

かすみ屋のフレグランスワークショップ
初秋のキンモクセイ香水づくり
日時:9/21(金)または9/22(土) 14:00〜16:00 (全1回)

効能にとらわれず、またスピリチュアルな観点とも違う、精油を純粋に「香りの素材」として扱うワークショップです。トップ、ミドル、ラストのバランスを考えて、本格的なオーデコロンを作りましょう。

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プロフィール
NAME:  かすみはら(かすみ屋)
福岡市中央区大名でひっそりとアロマサロンをやっています。エッセンシャルオイルに限らず、いい香りのお話が大好物です。香水作りのワークショップ、セラピストさんの勉強会なども時々やっています。
mixiコミュニティ:Aromahausかすみ屋
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